バリアフリーとは、どういう意味でしょうか。
そんな疑問に、端的に答えを出してくれた思い出があります。
とある海外合宿に参加した時のことです。稽古に参加しているとある男性がふと目をひきました。
その人は、両足が膝から無く車椅子で合宿に参加されていました。
その男性に目を引かれた理由は、腕の太さ(筆者の倍以上…)と、きれいな投げ技でした。

あとで彼の足が不自由だと知ったときの印象は不思議なものでした。
「絶対、勝てないな…」合気道を修行する者として相手に勝とうと思ってはいけないものなのでしょうが、
筆者はその時、そんな畏怖というか畏敬の念をいだきました。
バリアフリーという言葉は、身体障害者や高齢者等の方達が、健常者と同じように日常を生活できるように
社会を改善するためのスローガンのような言葉ですが、それは車椅子用スロープや
視覚障害者用ブロックを敷設する事だけでは無いと感じました。
足の不自由なその男性も、まわりの人達も稽古が終わるまで、筆者が気付かない程、自然に
練習していたのです。どんな障害があっても、自分と周りのひとの心が通えば、どんな設備
よりも豊かな日常を暮らす手助けになるはずです。
もし、皆さんの身の回りで、合気道を始めたいと思っている障害者の方がいたら、ぜひ協力して差し上げてください。
合気道に興味の有る障害者の方は、ぜひ怖がらずに道場に問い合わせてください。
きっと協力しあえるはずです。